『キャロル』ハイスミス作、純愛ラブロマンス小説と映画の感想

『キャロル』パトリシア・ハイスミス

今回は、『太陽がいっぱい』の作者として有名な

パトリシア・ハイスミスのラブロマンス小説をご紹介します。

同性愛を扱った小説であったため、

ハイスミス名義で発行されるまでに、

実に40年という長い年月がかかったいわくつきの作品です。

意外なことに恋愛体質だったというハイスミス。

ハイスミスがこういう作品を書くなんて、

これまで『見知らぬ乗客』やリプリー・シリーズを読んできた

私にとっては、大いにビックリでした。

では、そのロマンス小説『キャロル』のあらすじと感想、

同名の映画もご紹介します。

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あらすじ

主人公テレーズは、フィアンセとの未来に希望を見いだせず、

ぼんやりした絶望感にさいなまれていました。

そんな時、デパートでアルバイトをしていて、

娘へのクリスマスプレゼントを買いに来た美しい人妻と出会います。

彼女の名前はキャロル。

彼女とランチすることになり、次第に惹かれていくテレーズ。

離婚調停中だというキャロルは、テレーズをドライブ旅行に誘うが、

二人には尾行がついていました‥‥。

ハイスミス名義での出版までの道のり

作品の完成は1951年。原題は、『The Price of Salt』。

当初持ち込んだ大手出版社からは刊行を断られ、

ハイスミス名義ではなく

別名義で小さい出版社から出版されたそうです。

その後、ハイスミス名義で刊行されたのは1990年。

実に約40年の歳月が経っています。長いですね~(^o^;)

最近になってやっと、

同性愛を扱った小説が社会に受け入れられる土壌ができたといことですね。

ハッピーエンドであることの意義

一般社会に受け入れられない恋愛小説を描くとき、

結末は大抵バッドエンドになることが多いです。

例えば、病気や自殺で死別したり…。

まあ、その方が一般読者が安心するからでしょうか。

社会が認めないものはやっぱりダメだよねってなる。

社会が認めない恋愛がハッピーエンドになったりすると、

心がザワザワすることになるんでしょう。

ハイスミスもハッピーエンドにするか

バッドエンドにするかでかなり迷ったそうです。

でも、結果として『キャロル』はハッピーエンドになりました。

ハッピーエンドにすることで、多くの読者が救われると思います。

そういった意味で非常に意義のある小説だと思います。

後半は一気にサスペンスフルな展開に

最初から最後まで甘いラブロマンス小説かと思ったら、

後半は一気にサスペンス小説になります。

この辺りの展開の上手さは流石ミステリーの辣腕ハイスミス!

本領発揮という感じです。

2015年トッド・ヘインズ監督による映画「キャロル」

映画「キャロル」

小説「キャロル」は、201年トッド・ヘインズ監督で映画化されました。

この映画「キャロル」は、

カンヌ国際映画祭のクイア・パルム賞、女優賞(ルーニー・マーラ)、シカゴ国際映画祭ゴールド・Q・ヒューゴ賞など、

数々の賞を受賞しました。

ラブロマンスの要素とサスペンスの要素をバランスよく取り入れた、映像も綺麗な映画です。

ストーリーは、概ね原作の通りです。

映画のメインキャスト

ケイト・ブランシュエットが神々しい美しさです。

テレーズが一目惚れするのも分かるw

ま と め

『キャロル』は、女性同士の恋愛を描いたサスペンス風味のラブロマンス小説です。

同性愛に肯定的な立場から書かれていて、ハッピーエンドになっています。

安心してお読みくださいね。

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最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

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