『蠅の王』、男の子だけの無人島を描いたゴールディングの小説の感想

蠅の王

今回は、ゴールディングの『蠅の王』をご紹介します。

1954年発表の名作です。

男の子ばかりの無人島での集団生活‥‥

その中に潜む原始的な獣性を丁寧に描いた問題作です。

蠅の王というのは、キリスト教の聖書に登場する悪魔のこと。

テレビ版「グッドオーメンズ」で

頭の周りに蝿がブンブン飛んでた悪魔のことですね(笑)。

無人島生活やサバイバルを描いた小説は多いけど

この小説『蠅の王』が特異なのは、

登場人物が全員子供でしかも男の子ばかり、ということ。

大人というストッパーがいない状態において、

彼らはどうなっていくのでしょうか?

この作品の魅力と、この作品が原作の映画についてお伝えします。

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あらすじ

大戦時、イギリスの子供達が乗った飛行機が撃墜されました。

子供達は小さな孤島にどうにか不時着することができましたが、

生き残った大人はいませんでした。

無人島で、しかも大人が一人もいない状態で

生活せざるを得ない状態になった子供達。

12歳の少年ラルフをリーダーにルールを作り、

最初の内は秩序だった暮らしを送ります。

しかし、次第に無秩序な混沌状態に陥っていき、

やがて、カリスマ的な魅力を持っている少年ジャックの中で

残虐な本能が目覚めていきます‥‥。

人間が本来持っている残虐性

この小説の中では、無人島でどのようにして生き残るかという、

サバイバルメソッドはほとんど注目されていません。

寒さや飢えも、危機的とまでは言えない状態。

子供達の毎日はどこかのどかです。

野生の木になるフルーツやカニなどを食べ、

メガネを使って火を起こし、真水もある。

粗末だけど風雨をしのげる掘っ立て小屋もあり、

赤痢とか伝染病が流行るわけでもない。

しかし、その中で芽生え成長し、

やがて人間を支配していく暴力性…そこに焦点を定めた小説です。

1990年ハリー・フック監督により映画化

1990年に綺麗所を集めてキャスティングし軍服を着せて、

映画化されました(笑)。

子供達の国籍がイギリスからアメリカに変更され

子供達はアメリカの陸軍学校の生徒という設定になっています。

他にも、多少の改変はあるけど概ね原作通りのストーリー。

冒頭で重症の大人が一人、

子供達と一緒に無人島に辿り着いたシーンがあったのでビックリしたけど

結局、ほとんど意識不明のままでした。

ま と め

『蠅の王』は、男の子のみの無人島での

サバイバルを描いたフィクション小説です。

サバイバル生活において、

道徳心を忘れがちになるのは仕方ない部分もあるけれど

子供達の中で、暴力的な嗜虐性が

次第に顔を出していく所が痛切に読者に迫ってきます。

読後は、ラストの海軍士官と主人公との会話が何度も胸に去来します。

良い悪いというよりは、

人間という生き物がそういう風に作られているということ。

人間って、怖い生き物ですね。

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