『ラスト・ショウ』腐女子必読!クライヴ・バーカー血の本最終巻感想

今回はクライヴ・バーカーの血の本シリーズの最終巻、

『ラスト・ショウ』をご紹介します。

こんな表紙ですが(^_^;)

血の本シリーズは、1985年度世界幻想文学大賞、

ならびに英国幻想文学賞を受賞したホラー短編集です。

作品発表当時、スティーヴン・キングに「ホラー小説の未来を見た」と言わしめたシリーズ作品集です。

血の本シリーズの中でも特にこの本は、もしあの世へ本を持っていけるなら、

是非ともトランクに入れたい一冊です。

腐女子向けでもあります。

想像力抜群で、スプラッタでユーモラスで切なくて美しくてお耽美‥‥

これらが全部一度に味わえる小説を書ける作家はなかなかいません。

類まれなる貴重な作家、

クライヴ・バーカーの『ラスト・ショウ』を読んでみませんか?

この本には、

「死は生なればなり」

「侵略者の血を」

「血脈のトワイライト・タワー」

「ラスト・ショウ」

「血の本」

以上の短編を収録しています。

以下に、それぞれのあらすじと感想を書きました。

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「死は生なればなり」

あらすじ

エレインは古い教会だった建物が取り壊されている現場に出くわす。

教会には封印された地下納骨堂があった。

当局は、地下納骨堂を発掘することに決め封印をあばく。

ある夜、エレインは好奇心から納骨堂に忍び込むが‥‥。

感想

単に納骨堂の恐怖というだけでなく、

身近にある死について思いを巡らせる短編ホラー小説。

まさにメメント・モリな作品。生と死は表裏一体で、読後感は明るいです。

「侵略者の血を」

あらすじ

ロックは一山当てようと南米にやって来た。

そして、仲間と一緒にジャングルの中の土地を買い、

今までそこで暮らしていた原住民を立ち退かせようとする。

しかし、トラブルを起こしてインディオの子どもを殺してしまった。

数日後、皮膚が裂ける奇病で仲間チェリックが死んだ。

チェリックは死ぬ前、自分達は呪いをかけられたんだと言い残す‥‥。

感想

原初的なアマゾンのインディオに呪いをかけられたヨーロッパの男たちの恐怖。

呪いも怖いけど、あくまで利己的で打算的な男たちの

愚かさと貪欲さが恐ろしいホラー小説。

「血脈のトワイライト・タワー」

あらすじ

冷戦下、バラードはベルリンで諜報活動を行っていた。

今回の任務はKGBからの亡命希望者ついて、彼に本当に亡命の意志があるのか、

信用することができるのかを調査することだった。

ミロネンコに面会した彼は、ミロネンコを信用できると判断し、

その旨を上司クリップスに報告。

しかし、クリップスはバラードの仕事の成果を認めながらも

「ミロネンコには慎重にならざるを得ない理由がある」と言う‥‥。

感想

ホラー小説版「LET IT GO」(ありのままの~♪)。

現在の体制にも自分自身にも絶望している男が、

本来の自分に目覚めていく神話的な短編ホラー小説。

変化への恐怖と痛みを抱えながらも、本来の自分であることの至福感、充足感、

そして、捨てていく世界への哀愁、郷愁が切ない名作。

肉体の変化はグロテスクだけど、小説全体は非常にロマンティックで甘美。

クライヴ・バーカーの小説を読む上で、ほぼ必ず登場するゲイの要素。

この作品も「本来の自分」イコール、同性愛者であることの隠喩です。

バラードの、クリップスへのほのかな想いが胸に迫ります。

でも、ゲイじゃなくても

現在の自分に違和感を感じていたり、

束縛に苦しんでいる人には刺さると思います。

「ラスト・ショウ」

あらすじ

稀代の奇術師スワンが死んだ。

その夜、さえない探偵ハリー・ダムーアの元にスワンの妻から電話があった。

依頼の内容は、スワンの遺体を見張ること。

無事に火葬が済むまで遺体を守ってほしいと言うのだ。

ハリーが依頼に応じて、スワンの遺体が安置されている館に行くと、

ヴァレンティンという名の執事が彼を出迎えた。

棺を置いた部屋は蘭と百合で一杯だった。

やがて夜がふけた頃、部屋の中の花が揺れ始めた‥‥。

感想

血の本シリーズの中で一番のオススメがこれ!!!

主従が沼な腐女子には、マストアイテム!!!

執事の、主人へのひたむきで献身的な純愛がキュンキュンきます。

「スワンの誘惑者であり、親友であり、下僕であった男」ヴァレンティン。

ヴァレンティンが祈りを唱えながら、スワンの遺体の唇に折り紙の花を載せ、

ローソクの火を花につけて、スワンを火葬するシーンは切なくて美しい、

心に残る名場面です。

「血の本(血の本シリーズのプロローグとエピローグ)」

あらす

死者の通る街道がある。その禁断の街道がこの世につながることがあるとすれば、

それは死者の群衆がまじわる十字路においてである。

トーリントン・プレイス65番地にそんな十字路があった。

そこに、ニセの霊媒の少年マクニールがやってくる。最初の内はただのゲームだった。

しかし、マクニールは死者たちの怒りをかってしまった。

冥界の扉が大きく開き、死者たちがマクニールに押し寄せた‥‥。

感想

本来、血の本シリーズの第一巻冒頭に収録すべきだったプロローグだけど、

出版社の都合で、プロローグとエピローグを両方血の本シリーズ最終巻に収録しています。

血の本シリーズが書かれることになったエピソードと、

その後のマクニールの死について書かれています。

クライヴ・バーカーのプロフィール

クライヴ・バーカーという作家について少しご紹介します。

1952年イギリス生まれ。小説家、脚本家、映画監督、画家。

有名な映画は「ヘル・レイザー」。オープンリー・ゲイ。

何年か前に彼の公式サイトを見たときは、

男性と結婚して、ハズバンドと犬たちと一緒にアメリカの西海岸に

暮らしているという情報が公開されてたけど、

さっき公式サイトを見たら、

昔はアップされていたハズバンドの写真が見当たらない‥‥‥?

え~と。ひょっとして離婚した???(´▽`;)ゞ

「車と食べ物の好みが合わない男とは一緒に暮らせない」って言ってたけど、

もしかして、車か食べ物の好みが変わったのかしら?(^_^;)

ところで余談だけど

クライヴ・バーカーは絵も凄くパワフルで幻想的でとても素敵です。

彼の描く奇想天外なクリーチャーたちは、独創的でユーモラスで愛嬌があります。

もし、機会がありましたら是非ご覧下さい。

まとめ

1985年度世界幻想文学大賞、

ならびに英国幻想文学賞を受賞した血の本シリーズ。

特に、「血脈のトワイライト・タワー」と

「ラスト・ショウ」は腐女子にはオススメです!

あの世に持っていきたい傑作です!

グロテスクでありながら、切なくて綺麗で、下品だけど、どこか気品もあります。

繰り返しになりますが

想像力抜群で、スプラッタでユーモラスで切なくて美しくてお耽美‥‥

これらが全部一度にに味わえる小説を書ける作家はなかなかいません。

クライヴ・バーカーの『ラスト・ショウ』を読んでみませんか?

■アマゾン

ラストショウ 血の本(6) (血の本) (集英社文庫)

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。



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